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NHKのすくすく子育て「ワンオペ育児」特集。パパは言われないと育児できないなんてやっぱりおかしい

言わないと育児手伝えないなんておかしい
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NHK Eテレのすくすく子育てで、ワンオペ育児について特集していました。

NHK Eテレ すくすく子育て|いままでの放送 -「脱・ワンオペ育児」

ワンオペ育児に悩むママは多いはず。番組の最後では「ワンオペ育児を解消するためには、ママがどれだけ大変かちゃんと伝えて、パパにもちゃんとやってもらおう」という話になっていました。

そうなんだけど。

パパは言ってくれないと何が大変なのか何をしたらいいのか分からない。だからママがもっと言おう、みたいな話になっていたのが引っかかりました。結局ママが頑張らないといけないの? わざわざパパの重い腰を持ち上げてやらないといけないの? そうじゃないとパパは子育てできないんでしょうか??

あるワンオペ育児妻の怒り

番組で紹介された夫婦。ワンオペ育児に悩んでいた妻と、その原因となる夫とのケンカが、本人たちによる生々しい再現VTRで放送されていました…笑

リビングで、ソファに座る夫とその前に立つ妻(仁王立ち)。妻は夫を問い詰めます。前日、妻が洗濯物をたたんでる横でずっとスマホでゲームしていた夫への怒りがおさまらない。しかし夫はその時のことを覚えてない。

妻「ほんとに覚えてないの?私が洗濯物たたんでるんだから、じゃあ自分はこうしようとか、子どもの面倒みようとか、そういう発想にはならないの?こっちが全部言わないとできないの?」

責めてます…気持ちは分かりますが、これ夫は反抗心しかうまれないんじゃ…

夫「じゃあたたむってことでいいですか」

やっぱり…。妻はきっと「そういうことじゃないんだよ」と言いたい。でも夫からしたら「なんで今言うんだよ、そのとき言ってくれないとわかんないよ」って思ってるのでは。不満の論点がズレるとケンカにすらならない。そしてお互い不満がたまっていく。

これ見ていて、全国から厳しい視線がザクザク刺さってそうな気がしました。再現VTRでもこの態度を再現してくれた旦那さん、ある意味すごい…

このご夫婦はその後、ある事件をキッカケに妻が離婚を切り出すまでに発展します。妻と子どもが同時に熱を出したとき、夫が妻からのスマホのメッセージ攻撃がいやになり、漫画喫茶で夜を明かし翌日昼に帰宅するという…これはあかん。

このときの妻の離婚宣言をキッカケに、「ほんなら育児がそんなにタイヘンなら俺がやってみせるわ!楽勝や」といって1日育児を担当した夫が撃沈&反省。それからというもの、毎週土曜日は夫が育児担当することでひとまずワンオペ育児解決。

VTRの最後、うしろで旦那さんが子どもと遊んでいる間、「1日自由時間ができてほんとに助かります」と答える奥さんが洗濯物をたたんでいたのは個人的にモヤモヤしましたが。自由時間でやっぱり家事か〜い。育児だけじゃなくて家事も任せたらいんじゃないでしょうか。

なぜワンオペ育児になるのか

ワンオペ育児って夫の長時間労働が主な原因かと思うのですが、実はそのほかにも原因はあるんですよね。ワンオペ育児になってしまう原因として、番組では3つ挙げていました。

1.パパが忙しくて頼れない

  • 平日は朝早く出勤、夜遅く帰宅
  • 休日もほとんど不在

2.パパが非協力的

  • 自分のリフレッシュを優先。スマホや外出
  • パパが家事育児の指示待ち。平日より週末の方が疲れる

3.育児支援が使いづらい

  • 予め予約が必要

「3.育児支援が使いづらい」は置いておいて、問題は「2.パパが非協力的」です。必ずしも仕事で不在だから育児しないだけがワンオペ育児の原因ではないんですね。家にいるのに家事育児しないって…「家にはいるけど、仕事で疲れてるから休みたい」っていうのはナシナシ。疲れているのはママも一緒だから。

「やってほしい家事を伝える」「大変さを分かってもらう」ではワンオペ育児解消できない

非協力的なパパ、家にいるけど家事育児を積極的にできない夫に動いてもらうにはどうしたらいいのか?番組では「ママはやって欲しいことを言おう、やってもらおう」とアドバイスしていました。でも私は、これだけじゃ全然解決しないと思ってます。

気になったのは、上で紹介した会話での妻の言葉。「どうして〇〇してくれないの」じゃないんです。「どうしてそういう発想にならないの」「なんでそう思わないの」なんです。つまり夫にどうなってほしいかというと、脳みそから変わってほしいんだと思う。(注※ 勝手に解釈してます)

ママがパパに求めるのは、指示通り動いてほしいというより、やるべきことを自分で考えて動いてほしい、ってこと。いちいち言うの疲れるんです。いちいち言うほうが疲れるんです。

ママが「大変だからアレやって」と言ったところで、ママのワンオペ育児解消にはなりません。
なぜなら、ママが指示を出している時点で、まだワンオペ育児の真っ最中だからです。ママが「やって」といってパパがやる家事育児は、それさえこなせば完了するただの”作業”なんです。
頼んだ家事をパパがやっている間に、ソファで横になってポテチ食べられるママってほとんどいないでしょ。たいてい、自分は別の家事やって子どもの相手もしちゃうんですよ。そうすると、パパは頼まれた家事だけを完了して「オレ家事やった」と達成感を味わっておしまい。
この状態では夫は、ママがお膳立てしてくれた家事ごっこをしているにすぎないんですよ。

そして、ママがどんなに日々の家事育児の大変さを話してもなかなか理解されません。大変さをわかってもらえない大変さ。ツラい。「今日ね、こんなことがあって大変だったの」「お昼寝30分だったから全然家事が進まなくて、子どもも泣いちゃって、私もイライラしちゃって」といっても愚痴としか思われない。たぶん聞いてません。

ん~じゃあどうすればいいの?どうすればパパに、ワンオペ育児の大変さを分かってもらって、自分から動いてもらうことができるんでしょうか?

ママが遊びに出掛ければワンオペ育児は解消する

これしかない。パパに育児・家事を丸投げして外にいきましょう。育児家事を一通りやってもらう。「何をすべきかわからない夫」と「育児の苦労が分からない夫」の意識は変われます。

ワンオペ育児ママの現場を知らないパパは、「俺だったらこうするのに」「もっとうまくできるでしょ」と思っているかも知れない。それをぜひやってもらいましょう。

ポイントは全部任せること。手も口も出したくなるから外へ遊びに行きましょう。家事と育児はワンセットです。「ご飯はここにあるから温めて食べてね」では家事育児をやったとは言えません。最初は心配でしょうから少しはお膳立てしてもいいけれど、徐々にそれも任せていきましょう。【帰宅時間】【お昼寝(眠くなる時間)は何時】【アレルギーやNGなこと】など必要な情報だけ伝えます。

こういう状況に置かれて初めて、パパもやるべきことが見えてくるんです。

  • 気合い入れてごはん作ったら、気付くと台所がぐちゃぐちゃ
  • 片づけようとしたら子供が牛乳こぼした、子どもの服を着替えて洗濯
  • 洗濯機回したまま子どもと遊び行ってしまって、帰ってきたら脱水後の子供の服がしわっしわに…
  • 夕食の買い物し忘れてもう一度外に行きたいけど子どもが昼寝中で身動き取れない

何を気を付ければよかったのか、最低限なにをすればいいのか、どんな段取りでやるとスムーズか。それをパパ自身で考えることが大切です。

子どもはいつも同じタイミングで同じことをするわけじゃない。そのバリエーションを予想して対策するのはいつもママの役割。だけど今日はパパしかいません。自分の経験で思いつく限りの「想定外」を織り込みつつ、ご飯作りや洗濯など最低限やるべきことをいつどうやってやるのか。

その「想定外」のバリエーションは、経験しない限り増えません。毎日新たな「想定外」が発生して思い通りに家事育児が進まない、ということを身をもって知るべきです。

この経験を重ねるうちに、実生活に基づいた段取りを考える頭のクセがつくんです。そうなれば、もう「何を手伝えばいいかわからない」なんてことにはならないはず。

家事育児を分担すると、お互いのいいところも教え合える

妻がした育児の苦労をわざわざ夫にも同じように経験させなくても、と思うかも知れないけどそれは違います。私も苦労したんだから同じ苦労をしてみればいいという気持ちで家事育児の丸投げをすすめているわけではありません。

実際に経験してみないと、家事育児の大変さは理解できない。手助けを最小限にして同じような大変な経験をして頭を使うことが大事なんです。

最初は不安かも知れないけど、やればやっただけ慣れるしワンオペ時間も徐々に長くできます。するとお互いに「任せても(任されても)大丈夫」っていう信頼感が増していくんです。

パパなりにやり方を開発して、もしかしたらこれイイね!っていう育児方法を思いつくかもしれない。ママだったら考えつかないような子どもとの過ごし方をしているかもしれません。これこそ、夫婦で協力できている状態だと思いませんか?

「ワンオペ育児という言葉が出てきたのはいいこと」

これは、すくすく子育てに出演されていた恵泉女学園大学の大日向雅美教授のコメント。

全国共通のママの潜在的な悩みを言語化することで、自分だけじゃないと思えるんだそうです。孤独感を取り除けるのは大きいと私も思います。そしていつの日か、この言葉が過去のものになるといいなとも思います。

『夫たちは、ママたちがひとり相撲していることにほんとに気づいてないみたい。でも、「夫は仕事で疲れてるから」と遠慮する必要はない』と大日向教授は断言されていました。ママだって疲れてるんだから分担して当たり前なんです。

だからママだけが「パパの機嫌も損ねないように気を付けながら家事をやってもらう」ことに精神すり減らす必要はありません。しかもそこで機嫌損ねられて、「もっとうまくやらないとなー、もっとSOSを上手に発信しないとなー」なんて結局ママの方が反省して頑張る状況はおかしいです。

もっとシンプルでよくないですか。「来週出掛けるから家のことも子供のこともよろしくね」って。そしてどこかに遊びに行きましょう。きっと帰るころにはお互いに変化が起きているはずです。